抄録
ファイルベース化された映像をファイル形式のまま効率よく伝送できるマイクロ波帯FPU (Field Pick-up Unit)を開発するため,双方向通信方式の基礎検討を進めている.FPUシステムでは本線映像と送り返しの情報量が大幅に異なるため,送受信比率も10〜100倍程度上り側に偏ることが想定される.今回は複信方式として時分割複信(TDD: Time Division Duplex)方式を想定し,TDDフレームと自動再送要求(ARQ: Automatic Repeatre Quest)を同期させる方式を採用した.これを適用したシミュレーションにより,上り側に偏る送受信比率でも伝送効率を低下させないことを確認した.またARQと前方誤り訂正(FEC: Forward Error Correction)を組み合わせたハイブリッドARQにより,誤りが発生する環境においてもこの方式が有効であることを確認した.