岩手医学雑誌
Online ISSN : 2434-0855
Print ISSN : 0021-3284
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一般女性における乳房セルフチェックの実施頻度と頻度に影響を与える要因の分析
片岡 郁美 山本 佳世乃德富 智明福島 明宗
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2021 年 73 巻 2 号 p. 85-96

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抄録

近年,乳房を日常的に意識して生活するブレスト・アウェアネスと言う概念が再認識されている.高濃度乳房と若年層乳がんに対する具体的な対応策であり,実践行動として乳房セルフチェックが推奨されている.本研究では,乳房セルフチェックの実態を把握し, さらに実施頻度に影響を与える要因を分析することを目的とした.2019年に青森県で20歳以上の一般女性を対象にアンケート調査を実施し206名を分析した.乳房セルフチェック実施割合は59.2%であり,そのうち定期的実施は17.0%と低かった.順序ロジスティック回帰分析の結果,実施頻度に影響する要因として40歳以上であること(OR = 2.56,95% CI:1.36 - 4.83,p = 0.003),検診を定期的受診していること(OR = 2.86,95% CI:1.37 - 5.98,p = 0.019),高濃度乳房と言う言葉だけ聞いたことがあること(OR = 3.12,95% CI:1.48 - 6.58,p = 0.003),高濃度乳房の意味を理解していること(OR = 3.71,95% CI:1.60 - 8.62,p = 0.002)が示唆された.

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© 2021 岩手医学会
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