岩手医学雑誌
Online ISSN : 2434-0855
Print ISSN : 0021-3284
特別講演
肺癌診療の今と岩手の展望
川田 一郎
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ジャーナル オープンアクセス

2026 年 77 巻 4 号 p. 113-120

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抄録
肺癌は日本の部位別癌死亡数の第1 位であり,人口の高齢化に伴い死亡数は増加傾向にある.一方,喫煙率の低下や治療技術の目覚ましい進歩により,年齢調整死亡率は1990 年代から減少している.近年,分子標的治療や免疫療法の発展により,バイオマーカーを活用した個別化医療が進み,Ⅳ期肺癌においても生存期間延長と生活の質(Quality Of Life,QOL)改善が示されている.治療方針は外科・内科・放射線科に加え,看護師や薬剤師を含む多職種が参画するキャンサーボードで検討され,集学的治療の最適化が図られる.肺癌の最大の危険因子は喫煙であり,喫煙率の高い当県では依然として肺癌患者が多い.また当県は医師数や呼吸器専門医数は全国と比較して少なく,呼吸器診療の需要増に十分対応できていない現状がある.地域の特性を踏まえた医療体制整備と専門医育成が急務である.安全で質の高い肺癌診療を提供するため,我々は地域医療機関と連携し医療体制の整備に取り組んでいる.
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