岩手医科大学歯学雑誌
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研究
頭部用コーンビームCT「3D Accuitomo F17(R)」の顎関節構造描出における有用性
東海林 理泉澤 充高橋 徳明齋藤 圭輔佐藤 仁星野 正行小豆嶋 正典
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2010 年 35 巻 3 号 p. 127-134

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抄録

3D Accuitomo F17は頭頸部領域を対象としたコーンビームCT装置である.5種類の撮影領域(field of view:FOV)(40×40mm,60×60mm,80×80mm,100×100mm,170×100mm)が搭載され,5つのボクセルサイズ(80μm,125μm,160μm,200μm,250μm)で画像の解像度を変えることができる「ズーム再構成」の機能を持つ.本研究の目的は,本装置の顎関節構造の描出能を検討することである.
最初に1体のヒト乾燥頭蓋骨を,全てのFOVで撮影,そのうち最も大きいFOV(170×120mm)で得られた画像データをもとに全てのボクセルサイズでズーム再構成を行った.次に変形性顎関節症を疑った3名の患者に対し同様の検討を行った.その結果,FOVが小さいほど画質は良好であり,大きなFOVで撮影しても小さなピクセルサイズで再構成することで明瞭な画像が得られた.以上より本装置においては,大きなFOVで両側の顎関節を撮影することで,両側下顎頭の滑走運動の協調性を評価でき,さらに小さなボクセルサイズで再構成することで高解像度の画像が得られることが明らかになった.
今回の検討により3D Accuitomo F17は顎関節構造の描出において有用であることが示唆された.

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2010 岩手医科大学歯学会
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