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岩手医科大学歯学雑誌
Vol. 41 (2016) No. 2.3 p. 19-28

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http://doi.org/10.20663/iwateshigakukaishi.41.2.3_19

総説

炎症とは, 細菌やウイルスといった病原体による感染や有害物質に暴露された場合に, マクロファージや好中球といった免疫細胞が貪食やサイトカイン産生を介して, 生体の防御と病原体や有害物質の排除に向かう反応である. 近年, 様々な疾患の病態において,感染が直接的には関わっていない, いわゆる無菌性炎症の重要性が示されており, その惹起経路の一つとしてNLRP3 インフラマソームと呼ばれる新たな自然炎症経路が注目されている. NLRP3 インフラマソームは, パターン認識受容体であるNLRP3 とアダプター分子であるASC, さらにその下流のカスパーゼ-1を結合した複合体からなり, その活性化によって強力な炎症性サイトカインであるインターロイキン-1βの前駆体が成熟型へとプロセシングされて分泌されることにより炎症を惹起する. 近年, 動脈硬化や心筋梗塞, 慢性腎臓病, 痛風, 2型糖尿病, メタボリック症候群といった様々な心血管疾患や生活習慣病における無菌性炎症が, NLRP3 インフラマソームを介して惹起されてくることが明らかになり, NLRP3 インフラマソームがこれら疾患に対する新たな治療標的となることが示唆されている.

2017 岩手医科大学歯学会

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