2022 年 46 巻 3 号 p. 137-142
がんの治療成績は基礎および臨床研究の進歩により確実に向上しているが,安全かつ効果的な治療のみならず,苦痛を限りなく緩和し,患者のQOL を良好に維持することが求められる.岩手医科大学附属病院がんセンターでは,多職種によるチーム医療の一環として,医科歯科がん連携を推進している.院内の紹介患者数は着実に増加しているが,まだ十分であるとは言えない.そこで化学療法に携わる医師を対象にアンケート調査を実施した.医科歯科がん連携の必要性は広く理解されているが,1/3 の医師は院内での連携について認知していなかった.また,利用したいと思ってはいるが手続きが煩雑なことや連携歯科医師・衛生士が少ないこと,などが課題として抽出された.今後はこれらの課題を解決し,多くのがん患者に良質ながん医療を提供できるよう連携を強化する必要がある.