岩手医科大学歯学雑誌
Online ISSN : 2424-1822
Print ISSN : 0385-1311
ISSN-L : 0385-1311
特別寄稿
高齢化社会のインプラント治療を考察する
鬼原 英道
著者情報
ジャーナル フリー

2024 年 48 巻 3 号 p. 89-94

詳細
抄録

目的:欠損補綴の選択肢の一つとして固定性インプラント支持補綴装置やインプラントオーバーデンチャーの症例数は確実に増加しており,インプラント治療を受けた高齢者の数も確実に増加すると考えられる.このような状況が現実であり,今後の高齢者のインプラント対応を考えていくことは必須と考えられる.今回の報告では,インプラント症例を提示し,インプラント治療を受けた高齢者への対応を考察する.

対象:症例1;全顎的なインプラント治療を開業医にて行っており,包括的な治療が必要となったケース.症例2;すれ違い咬合により咀嚼機能の低下が認められ,80 歳以上の高齢者に固定性インプラント支持補綴装置を装着したケース.

結論:全顎的なインプラント治療が行われていた症例では,訪問歯科治療で対応するのが最も困難と考えられる.このようなケースでは,患者が健康なときに,インプラントの上部構造を固定性補綴装置から可撤性補綴装置に移行するということが非常に重要である.また,高齢者にインプラント治療を行う場合は,可撤性補綴装置であれば訪問歯科治療での対応が容易になることから固定性補綴装置から可撤性補綴装置の交換時期をあらかじめ患者と決める必要があると考えられる.インプラント治療を行う際は,このような状況を前もって想定しインプラント治療を行うべきである.

著者関連情報
2024 岩手医科大学歯学会
前の記事 次の記事
feedback
Top