岩手医科大学歯学雑誌
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特別講演
生体に調和したクラウンの咬合面形態を求めて
田邉 憲昌
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2024 年 48 巻 3 号 p. 95

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抄録

近年の歯科臨床におけるデジタル技術の進歩はめざましく,ジルコニアによる歯冠補綴やコンポジットレジンブロックによるCAD/CAM 冠の保険収載など新しい治療法が普及してきている.中でもCAD/CAM 装置によるクラウンの製作は現在,最も臨床において広く普及しているデジタル技術の1 つであり,実際に岩手医科大学においても歯科医療センターでの製作数は年々増加し続けており,今後も発展していくことが期待される.

現在の社会状況から,金属価格の上昇や歯科技工士の不足などの問題があり,CAD/CAM による補綴装置の製作はこれらの問題を解決する方法の1 つと考えられる.デジタル技術による補綴装置製作の利点としては,製作に関わる作業工程の短縮や人的・物的資源の削減といったメリットなどが挙げられる.しかしながら,デジタル技術が進歩しても,これまでに培われてきた鋳造法を中心とした補綴歯科治療よりも補綴装置の精度という意味では,まだまだ不十分な面が多く,今後の検討の余地が残されている.

我々の研究グループでも口腔内スキャナーやデジタル咬合器などを用いたクラウン製作について,どうすれば臨床において有効な臨床成績が得られるのかを念頭に置いて製作の方法や手技についての検討を行ってきた.特にクラウン咬合面形態は,咀嚼・咬合機能に関わり,調整にも時間を要する部分であり,重要なポイントの一つである.

本講演では下顎運動データを反映した咬合面形態を付与したCAD/CAM 冠の製作方法ならびに口腔内スキャナーによる咬合採得に咬合力がどのように影響するのかについて研究データをもとに報告する.

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2024 岩手医科大学歯学会
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