2018 年 12 巻 p. 9-16
宮城県北部の伊豆沼・内沼およびその周辺水域において2014 年5 月~10 月にトンボ目の成虫の種組成および個体数の調査を行った.調査期間中に10 科35 種6,802 個体のトンボ目成虫が確認された.伊豆沼・内沼のトンボ類の種数と個体数は6 月から9 月に多く,7 月にピークを示した.優占種は,6 月から7 月にかけてはコフキトンボやセスジイトトンボ,8 月から10 月にかけては,ノシメトンボやアキアカネであった.また,出現頻度が高かった4 種(コフキトンボ,セスジイトトンボ,ノシメトンボ,アジアイトトンボ)が,確認総個体数の73.7%を占めた.一方,オオセスジイトトンボといった環境省レッドデータブック掲載種の個体数は減少しており,保全活動の重要性が改めて示された.