日本救急医学会関東地方会雑誌
Online ISSN : 2434-2580
Print ISSN : 0287-301X
症例報告
カルシウム拮抗薬, アンジオテンシン II 受容体拮抗薬中毒の1例
浪方 悠大屋 聖郎森野 杏子竹下 諒水野 廉植地 貴弘入福浜 由奈柏 健一郎三田 直人中森 知毅木下 弘壽
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2020 年 41 巻 2 号 p. 274-276

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抄録

今回われわれはカルシウム拮抗薬, アンジオテンシン II 受容体拮抗薬, ベンゾジアゼピン系抗不安薬中毒によるショック状態に陥った症例を経験したので報告する。症例は61歳, 女性。ショック状態にて当院へ搬送された。聴取した病歴からカルシウム拮抗薬中毒が主病態であることが推測された。輸液に対する循環動態の改善に乏しく, ノルアドレナリンに加え, グルカゴン, グルコン酸カルシウムによる治療が奏功した。カルシウム拮抗薬中毒は徐脈, 低血圧の遷延によりしばしば致死的となり得る。薬剤の作用機序と疾患特異的な治療法を習熟し治療を行う重要性が示唆された症例である。

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