日本救急医学会関東地方会雑誌
Online ISSN : 2434-2580
Print ISSN : 0287-301X
症例報告
有機溶剤汚染を来した高リスク受傷機転の外傷患者の初期対応
吉田 龍太朗梅谷 一公小川 敦裕石上 雄一郎沼田 賢治溝辺 倫子本間 洋輔高橋 仁井上 哲也舩越 拓
著者情報
キーワード: 外傷, 除染, 二次汚染
ジャーナル フリー

2020 年 41 巻 3 号 p. 373-376

詳細
抄録

【背景】有機溶剤は揮発性が高いという特徴から吸入すると急性中毒症状を来すことがある。また高リスク受傷機転患者の診療では, 速やかな初期診療が防ぎ得る外傷死亡を防止する重要な要素である。有機溶剤に汚染された外傷患者を診察する際は有機溶剤汚染による被害と重症外傷の診療の両者を考慮しながらの診療が必要となるため応用的な対応が求められる。 【症例】30代男性。建築現場で作業中に5mの足場から転落し, 手に持っていた有機溶剤を浴び, 全身に有機溶剤が付着した状態で当院へ搬送された。前室で行ったprimary surveyで異常所見なく外傷診療より除染を優先した。サラダ油で除染後, 外傷診療を継続し, 創傷処置を行い帰宅とした。 【結語】汚染患者を受け入れる前から汚染物質の調査が必要であり除染方法や診療場所の判断が重要となる。外傷診療と除染の優先順位は外傷の重症度によって異なる。有機溶剤は油で落とせると知っておくことは救急医にとって重要である。

著者関連情報
© 2020 日本救急医学会関東地方会
前の記事 次の記事
feedback
Top