日本救急医学会関東地方会雑誌
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Print ISSN : 0287-301X
症例報告
血液透析療法で救命し得た致死的急性カフェイン中毒の1例
池谷 友里野口 航兼島 博嗣白水 翔迫田 直樹辻 友篤山本 理絵守田 誠司中川 儀英
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2022 年 43 巻 4 号 p. 192-194

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抄録

症例は急性カフェイン中毒の36歳男性。嘔吐, 不穏状態, 頻脈性不整脈を認め, 摂取量が致死量を超えていたため, 緊急血液透析を行った。この症例では, 血液透析前後で血中カフェイン濃度に比例して乳酸値も低下した。その後, 合併症もなく, 8日目に退院した。これまでの研究で, 血中カフェイン濃度と乳酸値の正の相関が報告されており, 血液透析前後でも正の相関を示す可能性がある。乳酸値は血液透析の効果を判断する指標となる可能性がある。

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