日本救急医学会関東地方会雑誌
Online ISSN : 2434-2580
Print ISSN : 0287-301X
症例報告
上肢広範囲デグロービング損傷から出血性ショック、昏睡状態に至ったが外科的救急集中治療で救命できた一例 : 現代の外傷救急診療で救急外科医に求められる役割
樫村 洋次郎山田 隼大林 啓文松井 脩五十嵐 秀富児玉 充輝多村 知剛明村 野々香大木 基道金尾 邦生塩島 祐樹土屋 光正鳥海 聡堀越 雄一郎田熊 清継上野 浩一
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2026 年 47 巻 2 号 p. 183-186

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抄録
デグロービング損傷は回転機械により生じる外傷で、四肢の離断まで及ぶ重症例も存在する1)。症例は70代の男性。ベルトコンベアに右腕を巻き込まれて搬送された。搬送時は意識清明、血圧 84/55mmHgで、右上肢は前腕部が離断され、大量出血していた。volume resuscitation、輸血、ターニケット止血による内科的蘇生法を行ったがショックは遷延し、昏睡状態となった。鎮痛・鎮静の上で気管挿管、人工呼吸管理、昇圧剤開始、末梢血管結紮止血術・創部洗浄・壊死組織デブリドメントによる外科的蘇生術により止血、バイタルサインの安定が得られた。二期的手術としてMangled Upper Extremity Score (MUES) を参考として断端形成術と判断し、他院へ転送した。内科的蘇生術では手術室や他院への転送に耐え得る止血が困難なことが多く、救急外科医のemergency surgical rescueの普及が望まれる。また近年、新しい上肢外傷のスコアリングが提唱されているものの、実臨床では補助的役割に留まっており、さらなる発展が望まれる。
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