日本福祉教育・ボランティア学習学会研究紀要
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世代間交流が 幼児の高齢者観に及ぼす影響
王 姿月中野 いく子
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2016 年 27 巻 p. 86-96

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抄録

 本研究は、世代間交流が幼児の高齢者に対する見方に影響を及ぼすか否かを明らかにすることを目 的とした。世代間交流を行っている保育園と行っていない保育園・幼稚園の4 - 5 歳児(各40名、計80名) を対象に個別面接調査を行った。絵カードを用いて老いのイメージを尋ねた結果の内容分析から「交流し ている幼児」は「交流していない幼児」よりお年寄りの身体的能力を低くみていたが、身体状態と年齢に 応じて能力に差のあることを認識している割合が高いことがわかった。「高齢者観尺度」(14項目4件法)に よる測定結果の分散分析では「交流している幼児」は身体面、知識面を有意に低く評価したが、情緒面、 行動面では有意な差が認められなかった。身体面・知識面の相対的に低い評価や加齢変化・個人差の理解は、 日常的に交流している養護・特養老人ホームの高齢者を頭に浮かべて評価したためとみることができる。 世代間交流は、幼児の高齢者イメージ・高齢者観の形成に影響を及ぼすことが示された。

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© 2016 日本福祉教育・ボランティア学習学会
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