抄録
本研究では、聴覚障害教員と聴教員の認識の差異や共通点を整理し、聴覚障害理解教育に関連する項目について両者の語りを分析することで、協働のための手立てを考え、両者の視点を踏まえた聴覚障害理解教育について検討することを目的とした。
研究は、2021 年8月に特別支援学校に勤務する聴覚障害教員と聴教員を対象に、聴覚障害理解と密接な関係がある「聴覚障害理解に手話や指文字を学ぶことの有効性」「聴覚障害児と聴児の聴覚障害理解教育の違い」「聴覚障害理解のための有効な交流及び共同学習の在り方」についてインタビュー調査を実施した。聴覚障害理解を深めるためには、教員間で日常的に対話を重ね、両者の思いを伝えあうことが、両者の視点を踏まえた聴覚障害理解につながると考えられる。