2025 年 34 巻 1 号 p. 12-17
本稿では,インターネット依存への介入事例を紹介し,ミルトン・H・エリクソンのアプローチに照らして検討した。セラピーにおいてクライエントは,ストレス対処法としてチャットコメントの投稿に代わるものを見つけるためストレス対処チェックリストを記入したが,そこに含まれない活動を思い出した。セラピストはクライエントの考えを受け入れ,その実行を促し,クライエントの思いつきから連想したセラピストの体験を共有した。その後,クライエントは職場でのコミュニケーションに積極的になり,精神的不調の改善を伴った。本研究は,①クライエントのリソースを引き出すためのきっかけを工夫することの重要性,および②セラピストがユーティライゼーションに開かれていることという2つの重要な要因を示している。