抄録
ブラインド信号分離には,本質的に避けられない不確定性があり,従って分離器の決め方に自由度がある.例えばよく行われるのは,分離器を,各出力が独立等分布信号になるように決めることである.しかし,そのような正規化は,実用上好ましくない場合が多い.特に,音声信号の分離の場合は,分離された音は元の音に比べて,音質が大きく変わることになる.本報告では,混合がない場合にセンサ部に入力されているはずの信号をそのまま抽出する方法を説明する.そのような分離法については,すでに筆者によって提案されている,ここでは新しい手法を述べる.