抄録
本論文では,パラメータに関して区分線形なスケジュール則を持つゲインスケジューリング制御系を扱い,区分点数を最小化するゲインを導出するアルゴリズムについて考察する.区分線形型のスケジュールドゲインは,スケジュールの際に逆行列演算等の複雑な計算を伴わないため,性能の低い計算機にも容易に実装できる.そして区分点を減らすことは,実装時の必要データ量が減ることを意味し,オンボードメモリの節約にもつながる.提案する手法は繰り返しアルゴリズムであり,各ステップ毎にゲインを設計し,各区分点の「重要度」を評価し,重要度の低い点を削除して再び設計を行なう,というものである.結果的に,アルゴリズムで導出されるゲインは,最小数の区分点を持つものになることが期待される.数値例を用いて,手法の有効性を示す.