日本クリティカルケア看護学会誌
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研究報告
安静降圧療法を受ける急性大動脈解離患者に対する看護実践の構造
南堀 直之村井 嘉子
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2018 年 14 巻 p. 77-85

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抄録

 目的は,集中治療室における安静降圧療法を受ける急性大動脈解離患者に対する看護実践の構造を明らかにすることである.安静降圧療法を受ける急性大動脈解離患者を担当する看護師経験5年目以上の看護師10名を対象に,参加観察及び半構造化面接を行いグラウンデッド・セオリー・アプローチを用い質的帰納的に分析した.
 結果,7つのカテゴリー【悪化を未然に回避する】【痛みとその変化の原因を鑑別する】【潜在する精神症状の変化を探る】【自由に語る(話す)ことを保障する】【症状の緩和と改善を図る】【束縛された単調な状況に変化を与える】【今ある意味を説明する】は有機的な繋がりを持ち,『急性大動脈解離患者の急変のハイリスクに備えながら,患者の日常性の再構築を支援する』コアカテゴリーが導き出された.看護師は患者に寄り添い,また安静降圧療法が継続できるよう患者に届く言葉で状況の理解を促していく必要があると考えられる.

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© 2018 日本クリティカルケア看護学会
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