日本クリティカルケア看護学会誌
Online ISSN : 2187-400X
Print ISSN : 1880-8913
ISSN-L : 1880-8913
研究報告
集中治療後症候群を早期発見するためのアセスメントツールの信頼性と妥当性の検証
江㞍 晴美篠崎 惠美子
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2021 年 17 巻 p. 11-20

詳細
抄録

【目的】PICS(post intensive care syndrome,集中治療後症候群)アセスメントツールを作成し,妥当性と信頼性の検証を行う.

【方法】先行研究に基づき78項目の作成と構成を行った.内容妥当性の検証は,各項目を「妥当である」~「妥当でない」の4段階で評価を求めた.信頼性の検証は,4事例の患者情報用紙と動画を見てもらい,ツールを用いた評価を求めた.

【結果】内容妥当性の検証では,項目の採用基準を満たさなかった項目は,「70歳以上」「ICU日記」など8項目であった.「ICU日記」を除く7項目を削除したツール全体の妥当性は0.902であった.この結果よりツールの修正を行い,50項目に対して評価者間信頼性の検討を行った.ツール全体のκ係数は0.58で,中程度の一致度が確認された.正確度および所要時間を考慮し,最終的に37項目に修正した.

【結論】PICSアセスメントツールの内容妥当性と信頼性を確認でき,PICSを日常的にアセスメントできる可能性が示唆された.

著者関連情報
© 2021 日本クリティカルケア看護学会
前の記事 次の記事
feedback
Top