2022 年 18 巻 p. 1-7
【目的】A病院では公的な病院救急車による患者搬送を開始し5年目となる.最近の搬送患者の特徴と乗務する看護師が抱えている問題を明らかにし,今後の教育支援について示唆を得ることである.
【方法】搬送患者は電子カルテの情報から分析し,看護師の不明・不安内容と必要な教育についてはWebアンケートを実施し,単純集計と自由記載は質的記述的に分析した.
【結果】年間の搬送件数は527件,80代が201件で最多であり,呼吸器疾患が89件,骨折が87件であった.乗務する看護師の不明・不安は51項目あり,在宅医療資器材の管理が8項目該当しもっとも多かった.自由記載から乗務の改善点は7つ,必要な教育は8つがカテゴリーとして抽出された.
【考察】搬送患者の特徴に応じた知識や技術を身につけていくことや,問題としてあげられた51項目に対する改善と,看護師の役割の明確化と急変時のマニュアルの整備,在宅医療資器材の管理などの教育支援が必要であると考える.今後は,シミュレーション教育や症例検討会なども取り入れていきたい.