本研究の目的は心筋梗塞を発症した成人の復職に伴う困難と,その困難にどのように対応したのかを明らかにし,看護支援を検討することである.第2報では,復職前から復職後を含めた復職の過程に伴う困難と対応について述べる.心筋梗塞を発症した後に復職している成人男性7名を対象に半構造化面接を行い,質的帰納的に分析した.
その結果,復職前と復職後,復職前後では困難と対応の内容が変化していたが,心筋梗塞を発症した心臓に対する困難と対応,対象者自身の役割の遂行に対する困難と対応が見られた.また,周囲の人々からの気遣いを受けることで復職および仕事継続への意欲を維持できていた.これらから,『生きていくことへの不確かさ』,『役割の遂行』,『周囲の人々からの支え』という看護支援の方向性が明らかになった.看護師は心筋梗塞を発症した成人の復職に伴う困難と対応の特徴を理解し,復職に対して支援していく必要性が示唆された.