2007 年 27 巻 3 号 p. 280-285
日々の診療の中ではすでに何度か処置されている歯の再治療をすることが少なくない.クラウンのマージンからのう蝕によって生物学的幅径が侵されており, 抜歯してしまうには忍びないが, そのままで保存できないケースにもよく遭遇する.また, 補綴前処置として少し歯を移動させるだけで治療の幅が拡がることも多い.審美的・機能的に問題がある部分のみに対し治療目的を明確にしたうえで少数歯で部分的に矯正を行うMTMは, 非常に有効な治療のオプションとなる.いくつかの症例で日常臨床での取り組みを提示させていただければと思う.