日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学
Online ISSN : 1884-8230
Print ISSN : 1346-8111
ISSN-L : 1346-8111
エレクトロフォーミングとハイブリッドセラミックスを併用したインプラント・天然歯混在歯列における全顎補綴
早乙女 雅彦
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 28 巻 4 号 p. 200-207

詳細
抄録

インプラントを主体とするブリッジにて補綴を考える場合, できるだけ自分の歯を残したいという患者の希望を受け入れることにより, 少数残存歯とインプラントが混在する歯列となり, 補綴設計に苦慮することが多い.このようなケースに対して, エレクトロフォーミングとハイブリッドセラミックスを併用したブリッジにて対応し良好な結果が得られたので報告する.
患者は52歳女性で, 上顎前歯ブリッジの動揺と上顎臼歯欠損部へのインプラント治療を希望して来院した.初診時診査より上顎における保存可能な歯は14, 12, 23と診断.そこで17, 15, 11, 22, 24, 26, 27部インプラントと残存歯を支台とするエレクトロフォーミングとハイブリッドセラミックスを併用した術者可徹式ブリッジにより補綴治療を行った.現在治療終了後2年を経過しているにすぎないが, 良好な結果が得られている.この方法はロングスパンの症例においても精度の高い補綴物を製作できることが最大の利点と思われるが, 今回のような天然歯とインプラントが混在する症例に対しても有効な方法であると思われる.

著者関連情報
© 特定非営利活動法人日本顎咬合学会
前の記事 次の記事
feedback
Top