日本地域看護学会誌
Online ISSN : 2432-0803
Print ISSN : 1346-9657
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都市部在住の壮年期住民における行動変容ステージ別にみた健康関連要因と食生活の関連
梅原 雅代有本 梓田髙 悦子白谷 佳恵伊藤 絵梨子大河内 彩子臺 有桂
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2016 年 19 巻 1 号 p. 63-71

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抄録

目的:都市部の壮年期住民の行動変容ステージ別に健康関連要因と食生活の関連を明らかにすることで,生活習慣病予防へ向けた保健指導を検討する.

方法:首都圏A市B区C地区の住民40~64歳を対象に無記名自記式質問紙調査(郵送法)を行った.調査内容は,基本属性,行動変容ステージ,健康関連要因,食生活であった.

結果:569人(回収率19.0%,有効回答率97.1%)を分析対象とした.平均年齢は56.6±7.0歳,女性が60.6%であった.行動変容ステージの分布は,関心期31.1%,次いで無関心期26.5%,維持期17.6%,実行期9.8%であった.行動変容ステージと有意な関連が認められたのは,平均年齢(p< 0.01),腹囲(p< 0.01),BMI(p<0.001),主観的健康感(p<0.01),健康生活習慣(p<0.001),食生活サポート状況(p<0.001),食生態スコア(p< 0.001)であり,関心期,準備期は,他期に比してBMIが高く,維持期は無関心期,関心期,準備期よりも食生態スコアが有意に高かった(p< 0.001).

考察:行動変容ステージを維持・前進させるためには,各ステージの健康関連要因と食生活を踏まえた支援の必要性が示唆された.特に,関心期,準備期では健康関連要因や食生活への介入の必要性が高く,健康生活習慣,食生活サポート状況,食生態スコアを改善することが重要である.

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© 2016 一般社団法人 日本地域看護学会
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