2006 年 20 巻 7 号 p. 893-897
自然気胸に対する胸腔鏡下手術299例を分析した.以前に気胸手術歴の無い初発259例の気胸再発(率)は12例(4.6%),手術歴を有する再発40例では14例(35.0%)と,後者で高い再発率を示した.再発率を術式別(A群;自動縫合器によるブラ切除,B群;手縫いによるブラ縫縮・ループ結紮)に検討した.手術歴の無い259例ではA群12/236例(5.1%),B群0/23例(0%)で,B群が成績良好であった.一方手術歴を有する40例ではA群9/26例(34.6%),B群5/14例(35.7%)で,術式による差はなかったが,胸膜補強処置(フィブリングルー等)施行群6/27例(22.2%),非施行群8/13例(61.5%)と,補強処置により再発率が低下した.以上より気胸手術歴の無い初発例には手縫いによるブラ縫縮・ループ結紮が,手術歴を有する再発例には胸膜補強処置の追加が気胸再発防止に有用と考える.