日本呼吸器外科学会雑誌
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原発性肺癌手術例における開胸時洗浄細胞診陽性例についての検討
川野 亮二横田 俊也池田 晋悟羽田 圓城
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2006 年 20 巻 7 号 p. 898-903

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抄録

原発性肺癌手術の際に,開胸時胸腔内洗浄細胞診(Pleural Lavage Cytology, PLC)を施行した359例の内,細胞診陽性所見を示した20例(5.6%)の臨床病理学的特徴ならびに治療方針について考察した.PLC陽性20例の内訳は,病期別ではIII期(12例,60.0%),組織型では腺癌(15例,75.0%),血管内侵襲陽性例(17例,85.0%)が多く,p0/p1例が半数を占めた.PLC陽性例の陰性例に対する比較では,T3/T4例,p2/p3例,血管侵襲陽性例の占める割合が有意に高かった.PLC陽性例の5年生存率は33.0%で,陰性例の61.2%と比較して有意に予後不良であった(p=0.003).経過観察可能であったPLC陽性18例の内,14例(77.8%)が再発し,再発形式は遠隔転移を含む胸膜腔外転移型が10例(71.4%),胸腔内局所再発型が4例(28.6%)であった.以上の結果から,原発性肺癌手術時にPLCを行うことは,切除症例の病態や予後を知る上で意義があった.PLC陽性例では,局所再発あるいは遠隔転移再発に対して何らかの追加治療が必要と考えられた.

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