21 巻 (2007) 5 号 p. 685-690
78歳非喫煙男性.発熱・喀痰のため近医受診し,胸部X線写真で右下肺野に10cm大の空洞を有する15cm大の腫瘤影を指摘された.肺化膿症として2ヵ月間の抗生剤投与を受けたが軽快せず,喀痰細胞診で腺癌を認め,当院紹介となった.壊死・感染を伴った肺癌の診断で右下葉切除術を施行したところ,空洞内容は白色粘液で充満しており,粘液産生性の細気管支肺胞上皮癌であった(pt2n0m0).術後経過は良好であったが,術後3ヵ月で両肺に多発する小空洞陰影として再発し,術後11ヵ月で多発転移巣の薄壁嚢胞化を認めた.気管支肺胞上皮癌としては大空洞を伴い特異な経過を呈したため考察を加え報告する.