日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
原発巣術後39年目に発見された転移性肺エナメル上皮腫の1例
正津 晶子坂本 和裕山仲 一輝中山 裕子禹 哲漢小林 亜紀子
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2007 年 21 巻 6 号 p. 840-844

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抄録
症例は58歳女性.咳嗽が持続するため前医を受診し,胸部X線写真において異常影を指摘された.胸部CTでは径3cm以下の結節影が右肺に3個,左肺に1個認められた.経気管支肺生検では確定診断を得られなかった.転移性肺腫瘍を疑い,全身精査を行ったが,肺転移の原因となるような悪性疾患は認められなかった.既往歴として,19歳時に下顎骨腫瘍により手術を施行され,29歳時に局所再発で手術を施行されていた.肺腫瘍の手術目的で当院を紹介され,胸腔鏡下に右肺腫瘍生検を施行され,術中迅速病理診断においてエナメル上皮腫と診断された.既往より下顎骨腫瘍の転移が疑われた.歯原性上皮性腫瘍であるエナメル上皮腫は良性の場合が多く,遠隔転移は2~5%とされている.10年以上経過してから再発する症例も少なからず認めるものの,当症例は初回手術より39年と長期を経て肺転移により再発した稀な症例であることから報告した.
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