日本呼吸器外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-4158
Print ISSN : 0919-0945
ISSN-L : 0919-0945
症例
広範囲胸壁切除を要した再発デスモイド腫瘍の1例
大竹 節之森川 利昭加賀 基知三樋田 泰浩木下 桂一近藤 哲
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 22 巻 2 号 p. 198-201

詳細
抄録

症例は19才男性.2001年7月近医にて胸壁腫瘍の診断で腫瘍,胸壁(右第5,6肋骨)合併切除,再建術を施行された.以後特に通院せず,2005年4月,健診にて胸部異常陰影を指摘され,再発の疑いにて当科紹介となった.胸部CTでは,内部不均一な腫瘍が前回の切除部を中心に第2肋骨下縁から第6肋間まで胸壁に沿って存在し,胸腔内に突出していた.経皮的針生検にてデスモイド腫瘍と診断し,腫瘍を含む第2から第7肋骨および,肺の上,中,下葉の部分切除を行った.胸壁再建には,胸壁欠損部をComposix Mesh(Bard社製) で被覆し,右第9肋骨を第5肋骨欠損部に移植した.さらにその上に前鋸筋を有茎で被覆した.術後は順調に経過し,術後20病日に退院した.術後1年10ヵ月経過した現在再発なく,移植した肋骨も固定良好でスポーツも可能である.

著者関連情報
© 2008 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top