2008 年 22 巻 5 号 p. 741-745
1997年1月より2001年3月までに,2cm以下のブラを持った自然気胸81例に対して,針状胸腔鏡(径2mm)下レーザー焼灼術(needle VATS)を施行した.同時期に径2cm以上のブラを持った自然気胸78例には通常の胸腔鏡を用いて自動縫合器による肺部分切除を行い,その周辺組織をレーザー焼灼した(VATS).6年以上が経過した術後再発数は,needle VATS施行群81例中8例(9.8%),VATS施行群78例中10例(12.8%)であった.当院での再発率と文献報告例の再発率を比較検討したところ,今後より再発率を改善するために胸膜補強材の使用やその適応を検討する必要性があると思われる.