日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
子宮摘出後10年目に発見された子宮内膜間質肉腫の肺転移の1例
村田 智美松本 勲谷内 毅吉田 周平小田 誠渡邊 剛
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2008 年 22 巻 7 号 p. 1046-1049

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抄録

患者は80歳女性.1997年他院にて子宮内膜間質肉腫に対して子宮全摘術および両側付属器切除術を施行された.今回病歴聴取時には子宮筋腫と卵巣嚢腫に対して手術を施行したとのことであった.2007年に検診の胸部単純X線写真にて右上肺野に径2.5cmの境界明瞭な結節を指摘された.胸部CTスキャンでは右肺S3に径2.5cmの造影効果のある境界明瞭な結節を認めた.FDG-PETにて集積を認め,肺悪性腫瘍が疑われた.腫瘍を含む肺部分切除を行い,術中迅速病理診にて,肺原発肉腫の可能性があると診断されたため,右肺上葉切除とリンパ節郭清を施行した.永久標本での病理診断にて子宮内膜間質肉腫の肺転移と診断された.子宮腫瘍標本の再評価でも子宮内膜間質肉腫と診断された.子宮内膜間質肉腫の肺転移は比較的稀であり文献的考察を加え報告する.

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