2008 年 22 巻 7 号 p. 987-991
目的:孤立性肺動静脈瘻に対する外科療法につき検討した.対象と方法:1999年4月から2007年12月までに香川大学医学部付属病院で肺動静脈瘻と診断され,外科的切除を施された6例.男性1例・女性5例.VATSによる切除2例,開胸による切除4例.1例が区域切除,5例が自動縫合器による部分切除であった.結果:5例で肉眼的に異常血管が同定でき,視認できなかった1例は超音波画像診断および触診で同定した.合併症を認めず安全に切除できた.全例で局所再発はみとめなかった.結論:治療適応のある肺動静脈瘻は経カテーテル治療を中心にした治療戦略を立て,全身麻酔可能な治療適応のある孤立性の症例で,より根治性の高い治療法を選択する場合や造影剤アレルギーなどの経カテーテル治療が不可能である場合に外科的治療を選択する必要がある.