日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
肺癌術前のFDG-PET/CTにおいてリンパ節転移との鑑別を要した鎖骨上窩神経鞘腫の1例
水谷 尚雄河本 純一萱野 公一
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2010 年 24 巻 5 号 p. 818-822

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抄録

肺癌の術前病期診断にFDG-PET/CT検査を施行し,リンパ節転移との鑑別を要した鎖骨上窩神経鞘腫の1例を経験した.症例は59歳の男性の左上区域に発生した2cm大の腺癌で術前にFDG-PET/CTを施行し原発巣および右鎖骨上窩の直径1cm大の円型腫瘤にFDGの高集積を認めた.転移性リンパ節の可能性も否定できないが,疫学的にスキップ転移の可能性は低いと判断し手術を施行した.リンパ節転移は認めなかった.術後に改めて造影MRI検査を施行し,鎖骨上窩の結節はT2WIで高信号,リング状の造影効果を認め神経鞘腫を疑った.生検を施行し免疫染色でS-100陽性の紡錘形腫瘍細胞を認め良性神経鞘腫と確定した.神経鞘腫は良性でもFDGの高集積を認め,大きさや発生部位によってはリンパ節との鑑別が困難なこともあり,肺癌に合併した場合は十分留意するべきである.

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