患者は59歳,女性.2000年に他院で胸部下行大動脈瘤に対して人工血管置換術を受けた.しかし,術後膿胸を合併したため胸腔内洗浄を施行され軽快退院した.2010年4月に喀血を主訴に他院へ救急搬送された.血管造影検査にて体動脈から左肺下葉内に流入する血管が数本造影され,CTで中枢側吻合部仮性瘤が認められた.2010年6月に再度喀血を生じて当院に搬送された.開胸手術にて左肺下葉切除術を行った.肺組織に至るまでの結合組織には新生血管が豊富にあり動脈性出血の止血に難渋した.術後8日目に独歩退院した.また,仮性動脈瘤については1ヵ月後にステントグラフト内挿術で治療された.膿胸による慢性炎症によって胸壁から肺内に向かう血管が新生され,体動脈肺静脈瘻が形成され喀血に至ったと考えられた.血管新生に対する考察を加えて報告する.