日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
オクトレオチドが有効であった術後乳糜胸の一例
西井 竜彦村松 高古市 基彦諸岡 宏明大森 一光塩野 元美
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25 巻 (2011) 6 号 p. 635-638

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抄録

症例は,31歳,女性.肺葉内肺分画症の診断で左肺下葉切除を施行された.術後第2病日よりドレーンの排液が白濁し,エーテル法,ズダンIII染色,TG値より乳糜胸と診断された.禁食と末梢静脈栄養で加療し,ドレーン排液も透明化したが,第12病日の排液の再検で乳糜が証明された.これ以上の保存的加療は困難と考えられ,第14病日よりオクトレオチドの持続皮下注を開始した.投与開始後すみやかにドレーンの排液は著減した.4日後に排液を再検し,乳糜は証明されず,さらに2日間持続皮下注射を継続し,胸腔ドレーンを抜去した.その後再燃は認めず,第23病日に軽快退院した.近年,難治性乳糜胸に対してオクトレオチドの有用性が報告されるようになった.従来の保存的加療が無効である乳糜胸では,オクトレオチド投与は,他療法と比べても比較的安全であり,治療法の選択肢の一つになりうると考えられる.

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