26 巻 (2012) 1 号 p. 104-109
症例は30歳,男性.突然の呼吸困難のため近医を受診し,気胸を指摘された.胸部CTで両側気胸および両肺に多発結節影を認め,2ヵ月前に他院整形外科で大腿骨巨細胞腫に対し切除術が行われていたことから,転移性肺腫瘍を疑った.肺結節の診断も兼ねて右胸腔鏡下手術を施行,胸膜欠損を伴う血腫様の結節性病変を認め,同部位に気瘻を確認した.これを部分切除し骨巨細胞腫の肺転移と診断,胸膜直下病変を可及的に部分切除した.2ヵ月後,左気胸が再発し,翌日には右気胸も再発.気胸のコントロールのため胸膜癒着術を追加する方針とし,気瘻部分のみを部分切除した後,壁側胸膜全体を擦過,OK-432とミノマイシンを胸腔内に散布し胸膜癒着術を施した.骨巨細胞腫は稀に肺転移を来たす良性腫瘍であるが,この肺転移に起因する気胸は極めて稀で,同時性両側気胸をきたした症例は,本邦での報告は1例のみであった.