抄録
胸腔内結石は稀な疾患で,外科的切除された胸腔内結石の本邦報告例は21例である.今回われわれは胸腔鏡下に摘出した4例を経験したため,報告する.症例1は64歳男性で,検診で胸部異常影を指摘,CTでは右肺下葉S6の胸膜直下に径10 mmの結節を認めた.胸腔鏡下に観察すると,S6とS10の区域間線上に白色平滑な結石がはまり込んでいた.症例2・3・4は右肺下葉の原発性肺癌の手術時に偶然胸腔内に遊離した結石を認め,いずれも摘出し胸腔内結石と診断した.結石の中心の核はすべて脂肪壊死組織を伴っていた.肺野末梢,特に横隔膜上の小結節の鑑別診断として,胸腔内結石を考慮する必要がある.