日本呼吸器外科学会雑誌
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原著
ソラシックエッグを用いた自然気胸外来治療の検討
有村 隆明境澤 隆夫山田 響子齋藤 学小沢 恵介西村 秀紀
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2012 年 26 巻 4 号 p. 364-368

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抄録

自然気胸症例に携帯型気胸ドレナージキットであるソラシックエッグ(以下TE)を用いた外来治療の有用性を検討した.対象は2006年11月から2011年4月までにTEで治療を行った自然気胸患者137例,男性116例,女性21例で患側は右側73例,左側63例,両側1例であった.初発気胸は81例,再発は32例,2回以上の再発は8例,術後再発は16例であった.TEで外来治療を行い得たのは132例であった.84例はTEで治癒,48例はTEの後,手術となった.平均外来治療期間はTEで治癒した場合5.77日,手術となった場合は術前9.75日であった.合併症は1例にTE刺入部の感染,1例にTEの破損,5例にTEの偶発的抜去があったがTEの再挿入は行わなかった.TEを用いた自然気胸外来治療は重篤な合併症も無く,外来通院完遂率も高い.自然気胸患者にとって社会的,経済的負担の軽減の点で非常に有用な治療法であるといえる.

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