日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
ステロイドが著効した線維性縦隔炎の2例
石橋 直也佐藤 伸之岡田 克典近藤 丘
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2012 年 26 巻 6 号 p. 609-614

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抄録

ステロイドが著効した線維性縦隔炎を2例経験した.1例目は52歳男性,嗄声を主訴に近医を経て当科を受診し,CTで左縦隔に腫瘤を認めた.2例目は72歳女性で,呼吸困難感と血尿を主訴に当院泌尿器科を受診し,CTで左胸水と後縦隔から後腹膜にかけて腫瘤を認めた.いずれの症例も画像所見で胸腔内に活動性を有する腫瘤が疑われるものの確定診断には至らず,開胸生検を行ったところ,線維性縦隔炎と診断され,術後ステロイド(副腎皮質ホルモン)投与により腫瘤は著明に縮小した.ステロイドは線維性縦隔炎治療の選択肢の1つとして考慮されるべきである.

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