2012 年 26 巻 6 号 p. 625-628
症例は32歳,男性.健診胸部X線写真で異常影を指摘され,当院紹介となった.胸部CTで,左S6に径3.7 cmの腫瘤影を認めた.気管支鏡で確定診断は得られなかったが,PET検査で同部位に集積を認めたため,肺悪性病変を疑った.手術は胸腔鏡下に行い,迅速病理診断で悪性筋原性腫瘍が疑われたため,左下葉切除術を施行した.身体的所見およびPET検査などで,四肢・体幹を含め他に原発病巣は認めず,肺原発肺肉腫(線維肉腫)と診断した.肺原発肺肉腫は極めて稀な疾患であり,若干の文献的考察を加えて報告する.