日本呼吸器外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-4158
Print ISSN : 0919-0945
ISSN-L : 0919-0945
症例
乳児肺葉内肺分画症の1例
生田 安司田村 和貴橋本 佳子生野 久美子安永 由紀恵
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 26 巻 6 号 p. 668-672

詳細
抄録

乳児肺葉内肺分画症(ILS)の1手術例を経験したので報告する.症例は4ヵ月,女児.咳嗽と発熱を主訴に当院紹介受診となった.胸部単純X線で左下肺野に浸潤影を認め,肺炎と診断された.肺炎は難治性で,肺分画症が疑われた.胸部造影CTで下行大動脈の第10胸椎の高さから分岐する径5 mmの異常動脈を認めた.その動脈は左下葉に流入したのち2本の異常静脈と連絡し,下肺静脈へと還流しており,ILSと診断された.生後7ヵ月目に,左肺下葉切除術を施行した.切除標本の病理組織学検査からも肺葉内肺分画症と診断された.新生児乳児ILSの手術時期は,呼吸障害を認める場合は可及的早期に手術をおこない,呼吸障害を認めない場合は,術後合併症や術前感染のリスク,健常肺の発育などを考慮し,乳児期の手術が勧められる.手術法は病変部を含めた肺葉切除が適当と思われる.

著者関連情報
© 2012 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top