日本呼吸器外科学会雑誌
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原著
中高年の続発性自然気胸に対するシリコンドレーン(BLAKEドレーン)による胸腔ドレナージ
塚田 博齋藤 紀子手塚 康裕光田 清佳遠藤 俊輔
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2013 年 27 巻 4 号 p. 428-434

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抄録

2009年1月から2011年4月までに,当科に入院した続発性自然気胸21例に対し,縦溝型シリコンドレーン(BLAKEドレーン)による胸腔ドレナージを行った.年齢は57~87歳(平均74.3歳),基礎疾患は,肺気腫17例,多発肺嚢胞4例,間質性肺炎2例などであり,癒着や限局性気胸症例にも有効であった.ドレナージ期間は2日~67日(平均14.2日,中央値8日)であった.ドレナージのみで治癒したものは15例で,6例に気管支充填術,胸膜癒着術,手術などの追加治療を行った.内套針のないシリコンドレーンの挿入には胸腔に達するまでの観血的手技が必要であり,これに伴い皮下気腫の合併が認められた.近年,術後ドレーンとして使用される縦溝型シリコンドレーンは,柔軟性に富み,長い吸引域を持つため,肺気腫等を基礎疾患とする続発性気胸の初期ドレーンとしても有効であったが,挿入方法については改良が望まれる.

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