日本呼吸器外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-4158
Print ISSN : 0919-0945
ISSN-L : 0919-0945
原著
当科で考案した原発性自然気胸に対する胸壁滑車法(PulLE法)を用いた単孔式VATSの臨床的検討
坪島 顕司的場 保巳
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 27 巻 5 号 p. 547-552

詳細
抄録

【背景】近年,原発性自然気胸に対する単孔式VATSの報告が散見される.当科でも2011年11月より単孔式VATSを採用し,我々の考案した胸壁滑車法を追加することで良好な術野と整容面の両立が図れた.【対象と方法】2009年1月より2012年9月までに原発性自然気胸症例に対しVATSを施行した胸壁滑車法による単孔式(以下胸壁滑車法)10症例と従来法42症例(2ポート法13例,3ポート法29例)を比較検討した.【結果】胸壁滑車法,従来法の手術時間はそれぞれ76.1±25.0, 67.0±22.7分,出血量はそれぞれ2.8±1.9, 5.4±4.2 ml,ドレーン留置期間はそれぞれ1.0±0, 1.4±1.2日,術後在院日数はそれぞれ3.8±2.5, 3.9±2.0日といずれも有意差はなかった.【まとめ】胸壁滑車法は良好な術野が得られ,整容面で優れていた.周術期の成績も従来法に遜色なく有用な方法である.

著者関連情報
© 2013 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top