2014 年 28 巻 1 号 p. 2-6
ソラシックエッグ(以下TE)は,留置に伴う疼痛が軽度で,管理も容易であるため,気胸治療において広く使われている.しかし,胸膜が硬い症例では,挿入の際に剥離操作を必要とするため,疼痛が強くADL低下を認めることがある.ドレーン挿入時および留置中の疼痛をさらに軽減する目的で,中心静脈カテーテル(以下CVカテーテル)をドレナージチューブとして代用し,TEの排液ボトルと組み合わせ,気胸ドレナージ治療を行ったので報告する.胸水を伴わない中等度以上の気胸患者で,2010年9月~2012年8月までに治療した69症例を対象とした.経過中に通常の胸腔ドレーンへの入れ換えが必要であった症例は13例であり,約8割の症例がCVカテーテルのみでドレナージ治療が可能であった.CVカテーテルとTEを利用した気胸ドレナージ治療は,ドレーン挿入に伴う疼痛がほとんどなく,日常生活の快適性を損なわない治療法になるものと考えた.