日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
肺外突出性の増殖を示したPulmonary Hyalinizing Granulomaの1例
松原 恵理青木 良佑中島 明彦山﨑 宏司
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2014 年 28 巻 1 号 p. 29-32

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抄録

胸膜の外側方向に突出する増殖を示したPulmonary hyalinizing granulomaの1例を経験したので報告する.症例は59歳の男性.2005年より検診の胸部X線にて右肺尖部胸膜に限局する異常陰影を指摘されていた.2011年の検診にて増大傾向を認め,当院紹介となった.胸部CTにて右第4肋骨背側に胸膜よりなだらかに立ち上がりextrapleural signを呈する径3 cmの軟部陰影を認め,壁側胸膜由来の腫瘍と考えられ手術を施行した.胸腔鏡にて観察したところ,右肺上葉表面に白色の腫瘍を認め,肺の外側方向に茸状に突出していたため,肺実質を含めて切除した.病理組織学的には,厚い膠原線維束の不規則な増生を認め,腫瘤辺縁や内部ではリンパ球浸潤が少量観察され,肺実質由来のPulmonary hyalinizing granulomaと診断した.

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