日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
検診発見され急速に増大した肺類基底細胞癌の1切除例
山下 貴司卜部 憲和
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2014 年 28 巻 1 号 p. 33-38

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抄録

症例は60歳男性.検診にて左胸部異常影を指摘され当院を受診した.気管支鏡検査の結果では組織型の確定は困難であるが,低分化扁平上皮癌もしくはLCNECが疑わしく,cT1b(27×27×29 mm)N0M0 stage IAの診断にて当科へ紹介された.左開胸にて左下葉切除+リンパ節郭清術(ND2a-1)施行し,術後経過は良好で第8病日に退院された.切除標本の病理学的検討では,大細胞癌に類似した形態を示すものの,34βE12(+),synaptophysin(-),chromogranin A(-)であり,類基底細胞癌(Basaloid carcinoma),pT2a(35×30×35 mm)N0M0 stage IBと診断された.術前CTと手術日まではわずか33日であり,固定後の標本における腫瘍の拡がりでさえも急速な増大が確認された.術後11ヵ月の間,無再発生存中である.

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