日本呼吸器外科学会雑誌
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原著
特発性縦隔気腫症例の臨床的検討
稲田 一雄岩崎 昭憲
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2014 年 28 巻 2 号 p. 128-131

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抄録

今回当科で経験した特発性縦隔気腫を臨床的に検討した.1992年4月から2009年6月までに入院加療した縦隔気腫症例のうち喘息に続発した縦隔気腫をA群17例,胸部基礎疾患の無いものに誘因無く発生した縦隔気腫をB群16例,日常的イベントが誘因と思われた縦隔気腫をC群9例とした.A群男性13例(76.5%),B群男性15例(93.8%),C群男性5例(55.6%)で,平均年齢はA群21.6歳,B群26歳,C群23歳であった.症状のべ内訳(疼痛:呼吸困難:画像のみ)はA群8:9:2,B群16:4:0,C群7:2:2であった.真の意味での特発性縦隔気腫(B群)はほとんどが男性で症状の大半は疼痛であった.全例保存的治療で軽快退院した.発症当時の気象観測値の比較検討では,A群とB+C群の間には明らかな差を認めなかった.また全天日射量に関してB群がC群よりも高い傾向があったが,有意差を認めなかった.

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