日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
混合型大細胞神経内分泌癌と紡錘細胞癌の異時性多発肺癌に対する1手術例
中村 玉美須藤 学拓小林 成紀玉井 允上田 和弘濱野 公一
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2014 年 28 巻 6 号 p. 718-724

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抄録

稀な腫瘍である混合型大細胞神経内分泌癌と紡錘細胞癌を含む異時性多発肺癌の1切除例を経験したので報告する.症例は60歳代,男性で,健診の胸部レントゲンで異常陰影を指摘され当院を受診した.CTで左上葉S5に充実性結節,S1+2, S3にスリガラス陰影を認め,胸腔鏡下左上葉切除術を施行した.病理検査でS5の結節は腺癌成分を含む混合型大細胞神経内分泌癌(T1bN0M0)と診断された.その他の結節は腺癌であった.術後補助化学療法を施行したが,術後1年で右中葉に孤立性の充実性結節が出現した.混合型大細胞神経内分泌癌の転移を疑い,化学療法を行ったが短期間で増大した.発見より8ヵ月後に右中葉切除術を施行した結果,紡錘細胞癌(T2aN0M0)と診断され,異時性多発癌と考えられた.現在再手術後1年経過し無再発生存中である.

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