2014 年 28 巻 6 号 p. 725-729
症例は6ヵ月,女児.母体の前期破水および子宮内感染にて在胎24週3日で出生し,新生児呼吸窮迫症候群に対し人工呼吸管理が行なわれた.日齢4より胸部X線上,左下肺野に境界明瞭な透過性亢進域が出現し徐々に増大した.胸部CTでは左舌区の大部分を占める嚢胞性変化を生じ,左上区,左下葉を圧排し縦隔の右方偏位を認めた.啼泣時には経皮的酸素飽和度が容易に80台に低下するようになったため,先天性嚢胞性腺腫様奇形(CCAM)の疑いで日齢185に左上葉切除を施行した.病理組織学的には嚢胞壁の一部に平滑筋層を伴う呼吸上皮が認められ,CCAMI型と考えられた.